2021年4月10日に2021年度第1回例会を開催しました。

2021年度第1回例会

【日時】4月10日(土)15時から17時
【報告者と題目】
吉田 知史(同志社大学大学院法学研究科博士後期課程修了)
「現代台湾における対外経済政策の変容メカニズム」

 第1回例会は4月10日に開催され、台湾の対外経済政策の変容メカニズムについて報告が行われた。はじめに、台湾海峡では、構造的なレベルでの関係改善が直接的に反映されることはなかったことを紹介された。続いて、台湾政治に関する多くの研究は、李登輝、陳水扁、馬英九、蔡英文の各政権の特徴を検討しているため、政権間の連続性と分断を論じる一方で、各政権のダイナミズムについては検討も理論化もされていないという問題提起がなされた。その上で、具体的にどのような政策がオーバーバランシングであり、他方でどのような政策がアンダーバランシングとして見なすべきなのかについて検討を行った。報告者は、ネオクラシカルリアリズムを手がかりに、分析枠組みを構築し、既存のネオクラシカルリアリズムが抱える課題を提示した。そして、米中関係におけるネオクラシカルリズムは、様々な変数に関する合意を欠いていることを主張した。参加者の中から、アジア地域情勢のダイナミズムの一指標として台湾の位置づけを捉えるのかという質問がなされた他、研究の分析枠組みに対する質問もあり、理論と実証の両側面で有意義な研究会となった。
第1回例会は4月10日に開催され、台湾の対外経済政策の変容メカニズムについて報告が行われた。はじめに、台湾海峡では、構造的なレベルでの関係改善が直接的に反映されることはなかったことを紹介された。続いて、台湾政治に関する多くの研究は、李登輝、陳水扁、馬英九、蔡英文の各政権の特徴を検討しているため、政権間の連続性と分断を論じる一方で、各政権のダイナミズムについては検討も理論化もされていないという問題提起がなされた。その上で、具体的にどのような政策がオーバーバランシングであり、他方でどのような政策がアンダーバランシングとして見なすべきなのかについて検討を行った。報告者は、ネオクラシカルリアリズムを手がかりに、分析枠組みを構築し、既存のネオクラシカルリアリズムが抱える課題を提示した。そして、米中関係におけるネオクラシカルリズムは、様々な変数に関する合意を欠いていることを主張した。参加者の中から、アジア地域情勢のダイナミズムの一指標として台湾の位置づけを捉えるのかという質問がなされた他、研究の分析枠組みに対する質問もあり、理論と実証の両側面で有意義な研究会となった。