2021年7月10日に2021年度第2回例会を開催しました。

2021年度第2回例会

【日時】7月10日(土)15時から17時30分
【報告者と題目】
吉田 徹(同志社大学政策学部)
「ドゴール主義と<5月革命>」

 第2回例会は7月10日に開催され、ドゴールに焦点を合わせフランスにおける「68年5月」から「81年5月」に関する報告が行われた。報告のはじめに、第五共和制政治の王道であるドゴール研究は、当事者たちを含む膨大な研究がなされている一方で、ドゴール政治と68年の<交絡>を具体的に描いたものは少ないことが指摘された。このような関心のもと報告者が現在取り組んでいるドゴール政治の「終わりの始まり」の前提となる5月革命に関する研究に関する紹介された。5月革命は、その規定が困難であるがゆえに「見つからない革命」と表現されるが、広範な形で歴史的断絶をもたらした出来事であることは確かである。さらに、現代的事象の起点としても捉えられ、ドゴール主義の理念的次元と社会的次元を対比させることで、5月革命およびドゴール主義の性格を解明する一助となり得るとした。本例会では、フランスやEUを専門とする研究者から報告内で扱われていたタームの定義や、ドゴール没後のドゴール主義の変容に関する質問などが寄せられ、本研究の意義を改めて確認した。