2021年12月18日に2021年度第4回例会を開催しました。

2021年度第4回例会

【日時】12月18日(土)15時から17時30分
【報告者と題目】
小阪真也(同志社大学政策学部)
「ウガンダにおける移行期の正義:国際刑事裁判所の介入と少年兵をめぐる議論」

 第4回例会は12月18日に開催され、国際刑事司法の実態として恩赦の対象となっている子ども兵に焦点をあて、ウガンダにおける移行期の正義に対するこれまでの ICCの介入の意義についての報告が行われた。ウガンダ北部における紛争においては、子ども兵の動員の事実が報告されており、2006年までに18歳未満の子ども2万4000人以上、成人2万8000人以上を強制的に動員していたと言われている。ウガンダ国内においては、元子ども兵であり2010年に恩赦申請が受理されたクォイェロへのICDの審理を合憲とする2015年の最高裁判決が存在している。その一方で、国際的には元子ども兵であるオングウェンに対するICCの審理および有罪判決などがあるが、これらの事例以後、ウガンダでは現在に至るまで、受理された恩赦の再審査や取り消しの動向は見られない。報告者は、法律文書のみならず現地でのインタビュー調査などをもとに、その実態にせまっている。本例会では、特にアフリカ地域を専門とする研究者から現地に密着することで得られる情報による参加者との活発な議論が交わされ、ICCの介入の意義を改めて確認することとなった。